風ニ負ケヌ草トナリ、雨ニ負ケヌ花ヲ咲カセル。私ハソンナ人間デアリタイ。


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いくつになっても美しい魔性の街、巴里⑤…麗しの美女のヒミツ

 ディートリッヒ・フォン・コルティッツ将軍といういかにもドイツ人な名前に記憶のある人は相当な歴史通か、映画「パリは燃えているか」を観た映画通だろう。このコルティッツというナチスの将軍は、第二次世界大戦末期にナチスドイツ占領下のパリ防衛の責任者だった人物。

 連合軍に奪還される前にセーヌ川にかかる橋を全て爆破しパリの街を破壊しつくせというヒトラーの命令に反し、それをせずにパリの街を救ったと言われる人物だ。いや、その真偽のほどは知らぬが、とにかくパリの街はいまだに美しい。コルティッツ将軍はパリを破壊せよと言われても出来なかった。彼にとってこの街は、たとえ他の男…連合軍のもとに還ってしまうとしても、たおやかなその首に手をかけて殺してしまうには余りにも美し過ぎる女性のようだった。そうだったにちがいない。
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 そう、パリの美しさは、男性的躍動感に溢れダイナミックな摩天楼が屹立するニューヨークの風景とは対照的に、穏やかでロマンチック、そして女性的繊細さと同時に軟らかい豊饒に満ちている。上の写真はノートルダム寺院だが、いくつになっても美しさを失わない名女優のようなたたずまい。

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 街一番のデパート、ラファイエットの7階は屋上になっているのだが、驚くべきことにそこからモンマルトルの丘まで見渡せるほど、この街の建物は低い、というよりは古いので高層の建物がない。唯一、近くの巨大なオペラ座だけがこんなふうに見えるだけ。実は、古い街並みがそのまま残っているのがパリの最大の特徴だ。
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凱旋門は改修工事中だったが、貴重な観光資源だけのことはある。なんと半分ずつ工事をしている。それにしても、真下に観光客が歩いているというのに危なくないのか?
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その凱旋門の上は日本で言えば7~8階建てのビルの屋上程度の高さなのだが、東京タワーより低いエッフェル塔があんなに立派に見えるほど、パリの街並みは低い。
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これは、同じく凱旋門の上からシャンゼリゼ通りを見おろした写真。高いビルなど一つもないので、ちょっと田舎っぽい印象だ。実はほとんどが6階建程度の高さしかない。
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 このエッフェル塔は、東京スカイツリーやドバイの下品なビルといった新参者など歯牙にもかけぬ気品を持つ。周囲に一切高層建築の無いパリでは永遠の孤高を貫く究極の美だ。とても一世紀以上の建築物とは思えない。鉄のレース刺しゅうと言われる細かい鉄骨組みと二次関数のような曲線は女性的な美しさだ。ライトアップされるとこんなふうに! 
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街中の建物に、壁の平坦な箱のようなビルは一つもない!
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 路地裏には、パッサージュ。日本ならナントカ小路と言われるような商店街。石の階段がすり減るほど古い。写真の店は創業150年以上というカードや写真を扱う店。
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 日本にも古都と呼ばれる場所はいくつかあるが、こんなに大々的に街全体が古い、というところはない。京都にしても、駅前に毒キノコと誰かが言った京都タワーが建った辺りから街の様相は一変してしまった。あの街が、歳をとるにつれ化粧や服装がケバケバしく派手になる一方で容貌は衰えて行く女優だとすると、いくつになっても変わらぬ美しさを保つ謎の美女、それがパリなのである。



 

 

by masami_ws | 2014-04-13 07:45 | ボンジュール!パリ

わさわさと煙が目にしみる巴里④…デ部員がいないパリジェンヌの謎

 さすがはパリ、オイラが街を歩いていると、フランス映画に登場するような美女…往年のカトリーヌ・ドヌーヴのような…が、いきなりウィンクをしてくれたり、可愛らしさをいつまでも失わないソフィー・マルソーが手を振ってくれたり、はたまた無邪気なオドレイ・トトゥがいきなり抱きついてきたり、という妄想のようなことは一切無かった。当たり前か。
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 この写真の女性を見よ。タイツのようにスキニーなパンツにかっこいいランニングシューズを履いて大股で颯爽と歩いていた。このようにパリジェンヌ達は皆、美しかった。これはホント。まず、絶対に言えることは、98%の確率でパリジェンヌ(いやパリジャンにも共通しているが)デ部の部員がいないということだ。
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 自転車に乗っている人も多いが、ごらんのとおり皆スマートだ。太っているのは、外国からの観光客とおぼしき人たちで、朝夕通勤しているパリの人々は皆とてもスマートなのだ。結構、脂っこい食事、ワインに信じられないほど巨大なデザート、よく食べよく飲む彼ら彼女らがなぜこんなにスマートでいるかについて、現地で仕事をしている日本人女性に尋ねたところ、即座に帰ってきた答えは
「とにかくよくしゃべりながら、長い時間かけて食事をする」
からだと言うのだが???それだけで痩せていられるものだろうか。


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 そう、女性はこんなふうに大股でカッコよく歩いている。それと、ファッションが黒を基調にしているというのもパリジェンヌの特徴らしい。カップルもオシャレでみんな絵になるからニクい!
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 シニアなカップルもどこかオシャレ!
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 ひとつだけ!こんなに素敵なパリジェンヌたちにも残念なところが一つある。それは、彼女たちの88%くらい(あくまでも印象だが)が、タバコを吸うという事実だ。屋内で吸えないらしく、皆、歩道でカッコよくプフアーと煙を吐いたり、指先に火のついたタバコを挟んで歩いていたりする。うーむ、これには百年の恋も冷める。喫煙大国フランスならではの光景ではある。


by masami_ws | 2014-04-07 00:26 | ボンジュール!パリ

シャンソンたなびく哀愁の巴里③…カッコ良さには不便は覚悟


 ということで、何につけてもファッショナブルなパリだが、困ったことも。このブログの読者の中に万一フランス人の方がいたら先に謝っておくが、今回は文句を書くぞ! まずこれ。
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 マリー・アントワネットが投獄されたコンシエルジュリーの休憩スペースにあった椅子。さすがは凝ったデザイン、鉄製で重いのはいい。
 さらに座面が妙に湾曲していて座りやすくなっているのかと思いきや…まあ座ってみればわかる。どういうわけか、どうにも座り心地が悪く5分も座っていられない。どうも人間工学など、カッコよさの前には関係ないと主張しているようだ。

 もひとつ、ホテルの部屋の椅子。
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 これも座ればわかる。この靴ベラのような背もたれのせいで、自分の尻が靴に押し込まれるかかとになったような感触を味わえるぞ。座りやすさをカッコよさと引き換えにしているのだ。
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 これは浴室。シャワーカーテンが無く、なぜか半分だけスプリングで開くガラスの仕切りが。当然だがシャワーを浴びれば浴室内全体がほとんどびしょ濡れに!さらに問題は混合栓。
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 なかなかカッコいい。そして凄いのは、このレバーの操作が恐ろしく難しいということ。昔のシトロエン2CVのぐにゃぐにゃミッション、いまギヤがどこに入ってるのかわからないあのシフトレバーに通じる微妙な感触、そしてシャワー使用中に勝手に動いてしまい熱湯を浴びたりするスリルも味わえる、というものだ。
 クルマ部品以外に水栓なども作っているドイツのボッシュの製品や、水温まで表示している日本の混合栓などとは正反対の思想、とにかく機能は二の次、カッコいいことが命なのだ。

 これも同じく浴槽内の止水栓。上部排水口のカバーを回すと下が閉まる、というこれまた実にカッコいいものだが…
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案の定、というか、当然のごとく、というか、ちゃんと閉まらないので30cmのお湯を貯めるのに、適温の湯が冷めきるくらい時間がかかった。いやはや。

 続けてこれも浴室の洗面台。左右に白黒のコップを配してなかなかオッサレー、だが…
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同じ混合栓は仕方ないにしても、排水口の止水栓のレバーがどこにあるかわかるだろうか。なんと下のタオルのところにちょいと見えているステンレスの長い棒がそれ。これをぐにゃぐにゃと微妙に動かしていると偶然閉まる、またまた昔のシトロエンのシフトレバーの登場だ。

 しか~し!トイレのフラッシュ用のボタンだけはこんなふうに大きく判りやすい。なるほど、大きい丸を押すと大用、小さい丸は小用と水量調節できるのか、と感心したのも束の間、
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なんと、どっちを押しても水量は変わらず、しかも困ったことにどう見ても「小用」の水量、仕方なくもう一度押しても、壁内の貯水タンクに水の溜まるスピードが恐ろしく遅いため、用を足した後、相当ここに籠っていなければならない。

 なのに、この浴室、鍵のかからないガラス戸だけで仕切られていて、なおかつこんなふうにどうやっても3cmほど隙間が!
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隙間からは便座に座っている状態のビミョーな姿が垣間見えるし、ビロウな話で恐縮だが、音も臭いも丸漏れ状態。付き合いの浅いカップルなどは絶対恥ずかしくて泊まれないぞ、ここには!

 室内照明は、全てめちゃめちゃ熱いハロゲンランプで、意味なく超スポットになるこの細長いやつは、点灯していると熱くて触れない上に、首の部分がフレキシブルのようで、実はなかなか曲げにくいという、まさに曲(クセ)者!
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 そして街に出れば、街並みに溶け込むデザインだが、とても見やすさを優先させているとは言い難い信号器や
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一体どっちを指していて、どれをどう見たらいいのか判らない道路標識、
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時刻がまちまちで信じられない街頭時計(なんと二日前に夏時間が始まったにも関わらずオペラ座近くの交差点の真ん中にあった時計は1時間遅れたままだった!)など、日本ではまず考えられないものが溢れている。
 しかし一方で、
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衣類の買い物についてきたこんな安全ピンにも、こんな粋な意匠を凝らすフランス人気質。うーむ、機能性、利便性、確実性、効率などとはかけ離れた、理性より感性を優先させる世界、これこそがパリ的なものなのかもしれない。


 

 

by masami_ws | 2014-04-06 08:42 | ボンジュール!パリ

のこのこ来ました振り向けば巴里②…「オッサレ~」が全て

 まずはつまらぬ話などよりも「百聞は一見に如かず」ということで写真を見ていただきたい。
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 ニューヨークのMoMA(近代美術館)にありそうな展示だが、実は全部今回泊まったオペラ座近くのホテルHOTEL DE NOAILLES(オテル・ド・ノワーレ)の一階ロビーの様子。

 中庭からこちらを覗く大勢の赤いクマは一体何の意味があるのか、などと考えてはいけない。マフラーを巻いたワニ、なぜこんなところに巨大なピンクのでんでんむしが?などということも、とりあえず考えてはいけない。
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 これはパソコン用ブース。なにもここまでやらなくても…いや、そうではないのだ。
そう、フランスは何よりオッサレ~なことが全てに優先している国なのだ。

 これはどんな場所か判るだろうか。
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 実は、サン・ラザール駅の中にあるSIXTレンタカーの窓口。どういう照明なのかカウンターそのものが全体にオレンジに輝いている。日本の、どうかするとプレハブ小屋みたいな(日本のレンタカー業界の方、ゴメン!)のイメージが強くて、まさかここがレンタカー・オフィスとは思わず、しばらく前をウロウロしてしまった。

 このシックな看板のお店は何か判るだろうか。
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 答えは、街中にあるスーパーマーケット。フランス人の手にかかるとスーパーもこんな風になる。

 ゴミ箱だってこんなデザイン。
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前からビニールのゴミ袋を付けられるようになっているが、デザインがなんとなく、くにゃっと曲がっているように見える。ドイツ人が作れば間違いなく四角い箱のような形になるはずだが、フランス人のデザインへのこだわりがこんなところにも。

イケナイことだが、セーヌ川のテラスにあった樹の幹。いたずらされていろいろ描かれているが、こんないたずら描きさえどことなく芸術的に見えてしまうのは、芸術的センスの薄いオイラの引け目からだろうか。
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とにもかくにも、この国の人たちがどんなことを大事にしているかは、こうしたものを見るとよくわかる、ということを言いたいのだが、それが時にはとんでもない不便さを生んでいる、という話は次の回に!




by masami_ws | 2014-04-06 06:51 | ボンジュール!パリ

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