風ニ負ケヌ草トナリ、雨ニ負ケヌ花ヲ咲カセル。私ハソンナ人間デアリタイ。


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下町ロケット 佃航平とカルロス・ゴーンの違い

 人気ドラマ「下町ロケット」の佃製作所佃航平社長は、どんなに高値で買い取ると言われても自社の特許技術を売らなかった。

 同社の苦しい台所事情を考えれば、一部の社員から上がっていた「手間のかかる特許部品を自社生産するよりも、さっさと特許を売り払え」という意見のほうが正しかったのかもしれない。

 しかし佃社長はこれを拒否、敢えて下請けとして自社製品の納入にこだわった。なぜか?それは、彼がオーナー社長だったことと関係があるかもしれない。

 もし佃製作所の経営をカルロス・ゴーンに任せたなら、いつ商品化できるかわからないロケット部品の特許など、間違いなくもっとも高く買う相手にさっさと売り払ったに違いない。

 事実、それなりに歴史のあった日産自動車の宇宙開発部門は、ゴーン氏がCEOに就任して間もなく売り渡されてしまっている。

 今でこそ脚光を浴びているH2型ロケットの胴体には、帝国重工でも三菱重工でもなく本来ならNISSANのロゴが入っていたかもしれない。

 しかし、当時200億ドルの負債を抱えていた日産自動車を一時的に救うには、患部の大幅な切除、つまり不採算部門、工場の閉鎖、リストラが必要だったことも否めない事実だった。

 かくして、就任4年目には巨額の有利子負債を解消してしまったのだから、そのやり方は短期的には間違ってはいなかったと言えばその通りだ。

 言葉は悪いが、10億円の給料を貰ってはいても所詮ゴーン氏は「雇われ社長」。自分の在任中にどれだけの成果を上げるか、つまり短期的な損益計算書(PL)上の数値が第一義になるのは止むを得ない。

 ところが、件の佃航平氏は小なりと言えどもオーナー社長だ。わが身同然の会社の資産…技術開発にかかった費用も含め特許は立派な資産だ…を、一時の急場しのぎで売り払うことは、会社の未来を長期的に見たときには絶対に出来ないことなのだ。

 夢とかロマンとか理屈をつけなくても、その点だけは譲れない、これは貸借対照表(BS)を長期的に見た経営と言えなくもない。

 フィクションの世界に経営の話を当てはめるのは野暮というものだが、経営にはどちらの見方が正しいということはない。

 会社の置かれた環境、状況によってカルロス・ゴーンになるか、佃航平で行くか、ここが思案のしどころでもあり、経営の醍醐味であるのかも知れないのである。

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またまた写真は佃製作所のロケに使われた桂川精螺さん。素晴らしい会社だ。


by masami_ws | 2015-11-27 11:59 | ここはチェンジアップ

下町ロケット「佃製作所」の問題点

 「佃製作所」という会社を知っているだろうか。人気ドラマ「下町ロケット」の主人公、佃航平が社長を務める会社で、大田区の多摩川っぺり(第二京浜のそば)にある機械部品メーカーだ。

 ドラマでは、この会社の持つロケットエンジン部品に関する特許使用権を買い取ろうとする大企業「帝国重工」に対してそれを断固拒否。あくまでも自社製部品の供給を要求し、苦闘の末ついにはそれを飲ませる快挙を成し遂げる社長と社員達の姿が描かれる。

 その過程で、ああこんな銀行員、こんな元請け会社あるよな、こんな上司、こんな部下もいるよな、と「あるある話」が面白く描かれていて飽きずに観られるのがこの原作者の上手いところだ。

 ただ、現実にはちょっと辛辣に突っ込んでみたくなるところも多い。中でも気になることは、やたらと社員たちが徹夜の突貫作業をするシーンが多いことだ。

 確かに、元請けからの苛酷な要求や時間的制約の中で、全員が一丸となって「佃品質、佃プライド」を掲げ社員たちは頑張った。このように不眠不休でジャック・バウアー的に頑張る
(わからん人にはわからん表現ゴメン)ことはウツクシイことだ。

 でも労務環境として見た時、これってどうなんだろう。「学園祭の前夜」的な熱狂や一時の達成感で仕事をすることは、体験としてはあってもいいが毎日毎月毎年がこの繰り返しでは、労其の査察が来る前に社員が持たない。

 ということで、佃製作所の佃航平社長に言いたい。貴社にはいざという時に頑張れる愛社精神と情熱にあふれた素晴らしい社員たちがいる。それはとても良いことだけれども、会社は社員の頑張りや情熱に頼り過ぎてはいけないのだ

 厳しい見方かもしれないが、いつも締切間近になってからとか、大きな課題がある時だけドラマチックな努力をするというのは、決していいことではない。

 備長炭の火のように、コンスタントに強い熱を放って長時間燃え続ける意欲をどう作り上げるか、それを社長は考えるべきだ。ということで結論!3KMをやりなさい!佃航平社長!

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写真は「下町ロケット」のロケが行われた大田区の桂川精螺(せいら)製作所。素晴らしい会社だ。テレビでは赤い文字のところに佃製作所のロゴがCGで入る。


by masami_ws | 2015-11-20 17:43 | 内角高め158㎞

値引きは利益を直撃する!

 経営幹部育成講座でいつも声を大にして教えていることに「値引きは利益を直撃する」というフレーズがある。売上げダウンは、原価や経費も同時に下がるので利益を直撃することはない。しかし、値引きは100円すれば、正直に税引き前の利益は全て100円のマイナスとなる。久しぶりにこれを大声で叫ぶ機会が図らずもあった。

 どこかの住宅会社に営業研修に出向いたら、ある若い男性社員がお客様に何かの手数料を通常の10%ではなく、3%に値引きしますという手紙を書いていた。 読むと自分の父親が家を建てた時には社員割引で3%だったが、あなた(お客様)を自分の父親のように感じているので同じ3%に割引します、という内容だ。

 いやはや、この社員、全てのお客様を父親のように感じて、こんな値引きの仕方をしていたらとんでもないことになる。ということで、会社の規定はどうなっているのか、などと彼に質問を始めたら、後ろで三十代半ばくらいの、昔の十勝花子を思わせるような女性社員が立ち上がって、こちらがまだ何も言っていないのにキンキン通る声で喚きだした。

 そんな細かいことをやいのやいの言われたら売れるものも売れなくなる。それが私達のやり方なのだ。私はそれでずっと売ってきて、今日の立場がある。などという言葉を、機関銃のように吐き出し続ける。聞きたかったのは、その値引きは会社としては織り込み済みでしていることなのか、それともイレギュラーなのかなのだが、この女性、まったく聞く耳を持たずひたすらに喚き続けるのだ。

 ああ、だめだ。経営者も御しきれないこんなタイプのインフォーマル・リーダーが仕切っていては、会社はなかなかうまくいかない。こちらも最初は、冷静にちょっと待ってください、と言い続けていたが、ついに頭に来て怒鳴ってしまった。「黙って人の話を聞け、馬鹿者!値引きは利益を直撃するのだ!」…というところで目が覚めた。まるで現実のような、あまりにリアルな夢だった。

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写真は本文とは全然関係ないが、大阪14期幹部育成講座で熱弁を振るう㈱トムコの土谷社長。大阪15期の申し込みはこちらから



by masami_ws | 2015-11-17 14:41 | スライダー142㎞

寿司の本当の味とは何か?

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 築地の仲買で長年勤めた知人が40歳を前に、今、銀座の寿司屋で修業を始めている。その彼に読んでもらいたいので、3KM経営塾専用メルマガ「今週の朝礼」に送信したものをそのまま貼り付けた。「今週の朝礼」の読者の皆さん、悪しからず。

今週の朝礼「本当の寿司の味」2015.11.09.

 堀江貴文という人物が、現在どういう仕事をしている人かは知りませんが、最近ネット上で寿司職人についてつぶやいたことが話題になっているようです。いわく「今時、イケてる寿司屋はそんな悠長な修行しねーよ。センスの方が大事」だとか。

 それに対し、ご飯を炊く時の水分調節やシャリを握るのはそう簡単に会得できるものではないと意見されると「そんな事覚えんのに何年もかかる奴が馬鹿って事だよボケ」と、これまた乱暴なコメントを返しているようです。

 コツコツと努力している人をまるでセンスがないかのように見下す傲慢で挑発的な物言いは、才気走った彼の一種の芸風なのでしょうが、個人的には到底好きになれません。ただ「イケてる寿司屋」には「センスの方が大事」とは、本当なのでしょうか。

 確かに、3
ヶ月で寿司職人を養成する学校があり、そこを卒業して1
年未満でミシュランの星がついたという寿司屋があるそうです。世の中には、稀に天才と天運の両方に恵まれた人がいますが、私はその寿司屋はその稀な例ではないかと思います。

 プロ野球でも、類い稀な身体能力と運動神経を持ったドラフト1位がいきなり一軍で大活躍した例もあります。しかし、それよりはるかに多くの鳴かず飛ばずで終わったドラフト1
位がプロ野球界から去って行くこともまた事実です。

 一方で、イチローのように元々の素質にさらに鍛錬を加え続けて今日がある、という選手もいます。そしてさらにそのイチローのトレーニングから生活パターンまで全て真似て盗んでやろうとオフの間、離れない川崎宗則のような選手もいます。

 これは、寿司職人がいわゆる「追いまわし」から始まる下働きをしながら、先輩や親方から何とか技術や考え方を学ぼうとするのと良く似ています。馬鹿でセンスがない、と言うならば、そういう人間にはそういう人間のやり方がある、ということです。

 さて、その結果生まれるものはなんでしょうか。それは、経験によって裏打ちされた深みや人間としての優しさ、仕事に対する哲学のようなものであったりします。「ぽっと出」でチヤホヤされた者と比べ、打たれ強くしぶといということもあるような気がします。

 ともあれ堀江氏のように高級寿司店に行きまくった経験もないこの私が「イケてる寿司屋」なる味を知る由もありません。でも個人的には、イケてなくてもいい、人間味という味のする寿司を食べたい。その人間味は、苦労した者にしか出せない味です。馬鹿とかボケとか言っている人は、その味がわからない。ああ、かわいそうな人だなあと思うのです。


by masami_ws | 2015-11-08 23:29 | 直球勝負!

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