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風ニ負ケヌ草トナリ、雨ニ負ケヌ花ヲ咲カセル。私ハソンナ人間デアリタイ。


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ホノルルマラソンずだぼろ歩記(あるき)②「夫婦で走るキケン」

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 マラソン前日にコンベンションセンターで行われる初心者向けセミナーに夫婦で出た。往年ののオリンピックランナーなどに交じって、ホノルルマラソン連続39回出場というフォーク歌手高石ともやさんの話と歌を聴いて感動。

 興味深かったのは、4年前、癌の宣告を受け今年3月にこの世を去った亡き奥様との思い出を話された中で、奥さんも20回ホノルルを走ったが、一度も一緒に走ったことはない、とのこと。

 なぜなら、絶対にどっちかが速くて、どっちかが遅い、ということでケンカになるからだ、という。それを聞いても、人も羨むほど仲のいいウチら夫婦は「僕たちは何があっても一緒に走るんだもんね」と笑っていた。その時は。

 翌朝も「万一、ボクが遅れたら置いて先に行っていいからね」「いいえワタシこそ…」「いや決してキミを一人で置いて行ったりはしない」「キミの食べるヨーカン、バナナ、栄養ゼリー、塩アメも全部ボクが背負ってあげるからね」などと、人も羨むほど仲のいいウチら夫婦は一緒に走ることを固く誓っていた。スタート前は。

 そして、レースが始まって3㎞は、Tチタニ師匠に教わった通り「ボクたちは周りのペースにつられずに、ゆっくりゆっくり歩くんだもんね」と人も羨むほど仲のいいウチら夫婦は歩いていた。3㎞までは。

 ところが、そろそろ走ろうかとピッチを刻みだしたところで「ちょっと速くない?周りにつられてるよ」と妻の声。そうかなあ、と不承不承にペースを落とす。だって人も羨むほど仲のいいウチら夫婦なんだから、とガマンした。7㎞地点までは。

 ダイヤモンドヘッド海沿いの登りにさしかかり、一度は抜いたはずの腰に鈴をつけたお婆さんランナーがまた前にいたとか言う妻の話を聞いていないとかいうことで、険悪な雰囲気に。

 だって、オイラはそんな「一度は抜いたはずの腰に鈴をつけたお婆さんランナーがまた前にいた」とか言うくだらん話を聞く余裕などないし、どうでもいいだろそんなこと。ということで人も羨むほど仲のいいウチら夫婦にピシッと亀裂が入った。10㎞地点で。

 前日、マラソンドクターの野田先生から教えられた10分走って5分歩く、というペースを守ろうとオイラが時間を計ると「まだ5分経ってない」だと。ええい、几帳面のA型のオイラは大雑把のO型のアンタよりもちゃんと時計を見ているぞ、と言いたくなるがぐっと我慢。15㎞地点。

 走ると飛ばし過ぎだとナジられ、歩くと歩く速さが遅すぎるとナジられ、まったくアタマにくる。だいたいよおく考えてみると、練習で一往復2.5㎞の隅田川テラスを走る時も、一緒に並走して走ったことはなかった。いつもオイラを置いて周回遅れにしただろオマエ!と過去の恨みも出てきた。

 しまいには「ワタシゃだいたいさっきからずっとイライラしながら走ってる」なんて言われて、かーっ!もうアッタマにきた。そおかそおかオマイさんがそういう料簡なら、コチトラ金輪際一緒になんて走るもんか、とばかり相手を引き離そうとピッチを上げるが、そこはすでに練習でも走ったことのない距離に入っている悲しさ、「ちょっとっ、アンタっ、待ちなさいよ!」とばかりに追走する妻をぜんぜん振り切れない。20㎞地点の予期せぬ低レベルのデッドヒートだ。

 しまいには大声で…周りは半分以上が日本人ランナーだというのに…「ああもうわかった、ホノルル離婚しましょ、ホノルル離婚!」だと。さっきまでは、人も羨むほど仲のいいウチら夫婦を気取っていたのに、周囲のヒソヒソと笑う声が聞こえてきそうだ。

 いやはや、恥ずかしくてとにかくこんな大声出しながら走っている女とは一刻も早く別行動して他人のふりをしたい、という一心でさらにピッチを上げる。ところが、こっちの足は思う通りに動かない。そして、敵もさるもの、ぴったりと追いすがってくる。

 こうなっては、息が続かない。参った。参りました。もう降参。アイムソーリー、ひげソーリー。どうぞ、それでは、お先に行ってください。オイラはゆっくり一人で行くから、と言うと「そんなこと言ったって私の食べ物、みんな自分が持ってるしょ!」だと。そおかそおか、どおせオイラなんかより食べ物目当てだな、こいつめ!

 とかなんとか、すったもんだやってるうちに30㎞過ぎまで来てしまった。あとで公式スプリットタイムを見ると、なんとここが異常に速くなったのはこのイザゴザのせいだった。そんなことなら、スタート地点から「ホノルル離婚しましょ!」をやってくれていれば、相当なタイムが出たかもしれない。

 …と、しかしながらここらで、お互い精も根も尽き果てて、ケンカする気力もなくなってきた。急に雨がザカザカ振って来たり、ワタシは腰が痛いとかオイラは心臓が止まりそうだとか言いだしたりして、お互いだんだん無口に。そしていよいよ35㎞過ぎの復路の登りにかかる。無言で必死の時間だった。

 40㎞地点、坂の頂点から眼下には、太平洋が広がりあとはゴールのカピオラニ公園まで下るだけ。超低レベルの目標だが、8時間切りのためには何としてもここを走り抜かねば。ということで、足を引きずる人や観光気分で写真を撮りながら歩く人を横目に、走る走る。ここも無言。

 そしてついにゴールが見えてきたとき、わが愛する妻が言った言葉はなんと、「手をつないでゴールするんだよ」だと。いやはや、ホノルル離婚だとか騒いでおいて、最後はそれかよ、とは口に出さず、人も羨むほど仲のいいウチら夫婦は人も羨むほど仲のいいウチら夫婦として、手をつないで目出度くゴールインしたのでありました。いやはやいやはや。

 ということで、今後、マラソンを夫婦で並走して走るべきかどうかを真剣に悩んでいる。ご夫婦でマラソンをされる方、是非ご指導いただきたいものである。 
by masami_ws | 2011-12-15 19:20 | ひょうろく球

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